三重県教育文化研究所は、1989年に「民主教育の確立をめざす理論ならびに実証研究と、県民の文化向上に寄与する」ことを目的に、第39次教育研究三重県集会の全体集会の場で発足しました。
目の前にいる子どもたちの姿を直視し、子どもたちが未来に希望と期待をもちつづけられる社会を実現するために、学校、保護者、地域のあり方を問い直し、子どもたちが、自ら学ぶよろこびと地域社会の一人として生きる自信のもてる三重の教育づくりに努めていきます。
三重県教育文化研究所は、2013年度より調査・研究および助成事業をすすめてきました。研究所に寄せられた各学校やサークルの実践は、子どもや地域の実態をふまえ、「つながりあい」を柱とした学びや体験が大切にされており、子どもたちが仲間とともに思いを出しあい課題を解決していく姿や、学校や地域でいきいきと活動する子どもの姿が数多く報告されています。
新型コロナウイルス感染症の影響や、世界情勢等の影響により、子どもたちのくらしはきびしさを増しています。さまざまな理由から、自分の思いを表現することができずにいる子どもたちがいます。
4月、こども家庭庁の発足と同時に、「こども基本法」が施行されました。子どもたちが、保護されるだけでなく一人ひとりが権利の主体となること、そして自らの夢にむかって希望をもって歩んでいける、そんな社会となるようとりくんでいかなければなりません。
わたしたちは、これまでめざしてきた子どもの姿を出発点とした「豊かな学び」の視点を大切にし、つながりを大切にした実践や、子どもたちが協力協働して主体的に課題を解決していく実践をさらに積みあげていかなければなりません。
以上のことを念頭において、三重県教育文化研究所の今年度の研究テーマは、「ともに生き、学びあい、育ちあう学校をめざして 子どもの姿を出発点とした豊かな学びの創造を」とし、以下の活動をすすめます。